理工系の地位向上運動の問題点の分析と検討
理工系(理系、理科系)の地位向上運動を進めるにつれ、問題点がいくつか浮かび上がってきました。理工系の地位向上運動の本当の実効性を確保するため、その解決策 を考えます。他にも問題点がございましたら、掲示板等に書き込んでください。解決策を考えていきます。
I.理工系の地位向上に積極的に動く人が少ない
問題点1.地位向上について、無力感が大きく、積極的に動く力が出ない
解決策1: 地位向上の動機を見つめなおす。理工系を応援する理由をもう一度良く考える
これについては、地位向上の運動をしてみても、社会は変わらないという無力感ないし諦めがあるようです。
しかし、運動は、少しずつでも効果が上がっているはずです。これは選挙と同じです。選挙に行っても、票差があるので、当選する人は変わらないでしょう。無力感から投票しないというのも一つの考えです。しかし、実際には多くの人が投票をすることにより、社会は確実に変わっていくのです。
たしかに、運動をした人は、選挙の投票と同じで、運動につぎ込んだエネルギー以上の具体的な金銭的利益(給料が上がるなど)を受けることは難しいでしょう。しかし、それでも、次世代の若者にはきっと力になるでしょう。
運動に熱心な人は、理系の不遇を不条理と感じて、怒りから行なっていることが少なくありません。損得勘定というより、個人的な思いから行なっていると言ってもよいでしょう。理系の不遇により辛酸をなめた人、理系の中でも異端であり悲惨な処遇を受けた人、不遇から理系の道から外れることを余儀なくされた人、社会における理系の扱いに不条理を感じた人などが、特に遺憾に思っている傾向が強いのです。その運動の動機は、自分の給料を上げようという動機では必ずしもないのです。
また、次世代の若者が、同じ思いをしないようにという気持ちから行なう人もいます。日本の理系問題で最大の犠牲者となるのは、現在不遇を受けている技術者等では必ずしもなく、将来の日本の若者なのです。現在は、まだ日本に国力がありますが、日本の国力が弱くなれば、不遇はこの程度では到底すまなくなるでしょう。
日本を愛し、国家的な利益を考えて行なっている人もいます。日本の地位が低かったことにより、残念な思いをした人も多いのです。
また、科学技術の発展が世界人類のためになることを目的としている人もいます。
運動の動機は様々でしょうが、必ずしも金銭的な利益を得ることや、社会が変わって利益を得られなければ、積極的に動くべきではないということでもないのです。
たとえば、阪神を応援したり、巨人を応援する人は、応援により何か金銭的利益を得ているわけではありません。どんなに球団や選手を応援しても、金銭的な見返りを得る見込みは全くないでしょう(野球で賭博をしていない限り)。
理系の地位向上運動よりも、その可能性は、はるかに少ないと言ってよいでしょう。
しかし、自分が感情移入をしている選手やチームががんばると嬉しいのです。理系を応援したいというのは、そういう気持ちが重要でしょう。熱狂的に巨人を応援する人がいるように、熱狂的に理系を応援する人がいても良いのです。
そして、そういう損得感情を越えた共感と連帯に基づく運動が広がっていき、熱狂的なサポーターの数が一定数を超えたとき、理系の地位は本当に向上するのです。
スポーツチームの応援をするように、理系の応援をするという趣味が広がっていくことが重要でしょう。
解決策2: 運動を、1つの会や個人に集中させるのではなく、インターネット型(分散型)にする。
これは、運動が広がっていく際には、非常に重要です。1つの会や個人は、一定の色があるため、運動の広がりに限界があります。また、会が一定以上の大きさになると、考え方の分裂が生じたり、問題が生じやすくなります(もちろん、理系の連帯をできる限り保ち、分裂を避ける必要がありますが・・・)。
多くの会やサイトが、新しく立ち上がり、ヨーロッパ連合(EU)のような形で、お互いに独立しつつ、緩やかに連帯していくことも重要でしょう。
次々に、新しい人や団体が、理系、理工系の地位向上の団体や、ホームページ、ブログを作ることが重要です。それらのサイトが、色々な特色を持って、理系、理工系の地位の向上運動をすれば、加速度的に運動は進んでいくでしょう。
元々、理工系.com
は、上記のような発想に基づき、次々に新しい人や団体が、理系、理工系の地位向上の団体や、ホームページ、ブログ等を作ることを念頭に置いて始まったものです。しかし、そのような動きは、まだ十分には広がっていません。
次々に、ホームページ、ブログが立ち上がっていけば、運動は広がります。理工系.comでは、主張が30%ほどですら共通していれば、細かい違いで分裂するのではなく、理系、理工系の地位向上という大きな目標のために、他のサイトと連帯していきたいと思っています。
理系、理工系の地位向上に関する新しいサイトは、理工系.comにより、強力にサポートし、そのサポートされたサイトが、また別の理系、理工系の地位向上の新しいサイトを強力にサポートし、お互いに連携することで、運動を指数関数的に増加させるというのが当初の狙いです
。
ブログを作るのは、現在では簡単です。理系、理工系の地位向上のサイトを作ってみてください。そのようなサイトが、1000に達すれば、インターネットの中で、理系、理工系の地位向上という分野が確立します。そして、そういうカテゴリーが作られるようになります。そうすれば、多くの人が、その運動を知るようになります。
現在でも、理系の不条理な待遇を受けている人がたくさんいます。潜在的には、運動に参加したい人は多いのです
。しかし、そういう人が、インターネットにおいて、理工系の地位に関して検索することは、稀でしょう。しかし、運動を周知できれば、運動は広がっていくのです。
そのためには、1つの会やサイトでは、運動は比例的にしか伸びません。多くの人が、多くの理系、理工系の地位向上のサイトを作って、指数関数的に運動を拡大させる必要があるのです。
問題点2.地位向上について、強い必要性を感じにくい
解決策1: 強い必要性を感じていないが、弱い必要性を感じている莫大な数の人の小さな運動を、インターネットの力で集める
運動に熱心な人は、理系の不遇を不条理と感じて、強い必要性を感じています。理系の不遇により辛酸をなめた人、理系の中でも異端であり悲惨な処遇を受けた人、理系の不遇から理系を去ってやりたかったことができなかった人などが、特に強い必要性を感じている傾向が強いのです。
しかし、そこまで強い必要性を感じてはいないが、ある程度、理系の不遇を感じている人は、もっと圧倒的に数が多いのです。これらの人が、傍観するサイレントマジョリティから、実際に小さいながらも行動を起こす段階になれば、理系の地位は必ず上がります
。
ある程度、理系の不遇を感じている人は、現状が必ずしも良いとは思っていないのです。しかし、強い必要性を感じて具体的な行動を起こすところまでは至らないのです。これらの人々は、数が極めて多いため、ほんの少し動いただけで、社会は大きく変わります。
技術者、研究者の数は、とてつもなく多いのです。日本の政治や政策に強力な影響を与えている利益団体も、技術者が本当に「山が動く」状態になれば、その数には到底及びません。さらに、理系全般となれば、数が多くなります。
しかし、現状では、連帯の強い医師会の方が、技術者よりも日本の政治に影響力があります。技術者全体の政治団体というのは、あまり聞いたことがありません。まして、理系、理工系全体の地位を向上させるという広範な運動がインターネットで行なわれるようになったのは、ごく最近のことなのです。
強い必要性を感じていないが、弱い必要性を感じている人の小さな行為を、インターネットの力で集めることが重要です。これらの人は、自ら理系、理工系の地位向上の運動を大々的に行なうことはないかもしれませんが、何らかの形で具体的な行為をすれば、数が多いため、理系の地位の改善にとって大きな力となるのです。
解決策2: 今は強い必要性を感じていないが、将来は強い必要性を感じるようになる可能性を周知する(理系の晩年問題)
また、インターネットの利用者は、20〜40台が多いので、技術者等は脂がのっているころです。技術や研究開発のことがより大事で、理系の地位の向上などの社会運動には、あまり関心を示さないことが多いのです。文理格差は、生涯年収で5000万円というデータが一説にありますが、その年収格差の大半は、50台、60台近くの昇進の差によります。
年収だけではなく、理系の場合、技術の細分化が激しく、歳をとるにつれて厳しくなる点が、本当の文理格差なのです
。相当の業績を挙げた技術者が、技術の一線を外され、会社に雑用をさせられているのは、本当に痛ましいものです。
若い頃はあまり文理格差はありませんが、50台を越える頃に、巨大な文理格差と、理系の不遇を痛感するようになる可能性もあるのです
。
20〜40台の技術者等は、理系の地位向上運動より、大切な技術開発等に集中するのは自然なことかもしれません。それで理系の地位が向上するなら、一番よいのでしょう。
しかし、現状では、そうも言っていられないのです。急速に理系離れ、理工系離れが進んでいるからです。若い人は、理系に進むか否かの判断では、将来の昇進等を含めて文理格差を考えるからです。今は、情報がいきわたっているのです。日本がだめになるのを傍観することはできないのです
。
20〜40台の技術者等が、理工系の地位向上運動に関心を示さないのは、ある意味では仕方ないのかもしれませんが、日本の状況はそうも言ってられないところまで来ています。これらのサイレントマジョリティが具体的な運動をすることは、理系の地位向上運動にとって、とてつもない力になるのです。
解決策3: 理工系の連帯の対象を広くする
小さな運動でも、多くの人が行なえば効果が上がります。理工系の連帯は、理系全般と一部の文系にも及ぶのです。できる限り多くの人の運動にしていくことが、運動にとって重要となります。
1人1人の時間は限られています。特に、脂の乗った20〜40台の技術者等の時間は、本当に貴重なものと言ってよいでしょう。社会運動に時間を割くのはもったいないのは分かります
。
しかし、1人1人のわずかな時間と、具体的な行為を、インターネットにより集めていくことが重要です。たとえば、日本の理系問題を少しでも多くの人に周知することや、意見表明をほんの1行でもすることなどです。
理工系の連帯の対象を広くすることで、各人の負担を減らしていくことが、運動を持続させる上で重要になるでしょう。

問題点3.地位向上について、具体的な政治、政策に結びつかない
解決策1: 新しい動きに敏感な先見性のある有力者を探す
理工系の地位向上の会では、国会議員など有力者にコンタクトして、理系、理工系の地位向上への協力を呼びかけました。
理系、理工系の地位向上運動が拡大するにつれて、社会への影響は増えていくかもしれません。しかし、地位向上運動が社会に広まってから動くのではなく、先んじて動く人が誰なのかを判別するのは、今が最適のときなのです。
これは、ベンチャーの発掘と同じです。まだ小さな運動の場合、先見性のない人は、その運動の内容を評価するより、その運動がまだ未成熟なのを見て、見下してしまう傾向があります。多くのベンチャー企業が、有望な技術を持っていましたが、まだ未熟なため十分な支援を受けられず、大きな成長の潜在的な可能性があったにもかかわらず、潰れていったのです。
しかし、本当の目効き、鑑識眼のある人ならば、運動が小さいうちから、本物かどうかを見分けることができます。現在、日本の上層部に求められている能力は、社会に生じている動きが小さなうちから、それが正しいかどうかを見分ける能力なのです。
小さな運度でも、社会に周知された運動でも、その内容が正しいかどうかだけが重要です。誰がやっているかではなく、どのような運動なのかが重要なのです。地位の高い人が大勢でやっていても間違っていることはあるし、少数の無名の市民がやっていても正しいことはあるのです。
理系の待遇問題は、先進国では多かれ少なかれ存在します。発展途上国との安い賃金との競争になるからです。しかし、それを政治の力で乗り越え、日本の理系、理工系の待遇が世界最高となったとき、日本の科学技術の水準は世界最高となり、日本は世界の中で、とてつもない地位を獲得できるのです。
小さな運動の潜在的な可能性を見抜く先見性と、リスクを恐れずにそれに投資する社会の上層部の人々を、理系の連帯に加えていくことが重要です。
解決策2: 理系の連帯を、理系団体にまで拡大する
理系、理工系の地位向上運動は、個人だけでも、本当に理系の連帯が成功すれば、日本にあるどの利益団体よりも強力な力を持ちます。
しかし、個人の力だけでは不十分です。連帯の輪は、日本を支える製造業、理系企業、理工学部、理系官庁にも広げていく必要があります。
特に、日本を支える製造業・理系企業と、理系の連帯が重要です。製造業・理系企業は、今は理系を安く使おうと考えている傾向のある企業も多いようです。理系の分裂、共倒れが起こっているのです。しかし、その方向では人材が枯渇して行き詰るのです。そして、最終的には、日本がだめになってしまいます
。
日本の製造業・理系企業と、理系労働者が、労使の対立を越え、強力な連帯に至ったとき、日本の国力は飛躍的に増大し
、欧米が決して追いつくことのできない、大きな競争力を回復するのです。
日本の製造業、理系企業の地位は、その日本への貢献度に比べれば、必ずしも高いとはいえません。製造業、理系企業は国際競争にさらされるので、多くの人材が、製造業離れ、理系企業離れをし、国際競争にさらされていない企業に就職したり、公務員になる方が、割が良いと考え始めているのです。
製造業、理系企業は、理系労働者、及び理系国家日本と連帯して、その地位を高めていく必要があるのです。
理系の連帯は、個人だけではなく、理系企業、理系団体に広げる必要がある
という思想は、今までなかったものでしょう。
日本の理系の地位向上とは、製造業、理系企業、理系団体の地位向上をも含むものなのです。
II.まとめ
理系、理工系の人々の地位が向上すれば、日本の地位も向上します。そして、それは科学技術の進歩を通じて、文科系、文系の人々を含む全世界の人々に、大きな利益をもたらします。問題点を分析し、解決策を地道に考えていく必要があるでしょう。
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